たった今出セイカツ記を読み終えた。
自分はこれまでに釣りや魚突きで食費を賄ったり、スッポンの売買で金を稼いだり、不食してみたり、数ヶ月何もせず眠り続けたり…を夢想はしたが、実行に移さなかった人間なのでその向こう、つまり実際にやってみた側の体験談や得られた知見、価値観の変容の一例が知れたという意味で大変良かった。と言うか単純に読み物として面白かった。
因みに元々はサブタイトルの、衣食住という不安からの逃避行を知るのが目当てだったので、読む傍らページを捲る手を止めて、前々から目をつけていた海釣り公園近くのリタイア候補地の家賃を調べ、セミリタイア後の生活に思いを馳せたりしながら読んだりもした。
作者の想定する読者とは違う気もするが、読みながら頭の何処かで、作者を先駆者と捉えながら読んでいた。自分が脱走し続ける子羊になれるかは分からないが、この本はリタイア後もう一度読み返してみたい。その時、抱えているだろう不安を軽減してくれる、そんな気がする。
